尊敬語文例


◆「寛恕」「宥恕」「海容」は、「広い心で人を許す」という意味です。
格式張った言い回しで、どちらかというと文書向けです。

尊敬語の「ご」をつけて、敬意を表します。

いずれの言葉も、「ご寛恕を乞いたく存じます」などの形で、相手の許しを願う言い回しになることがほとんどです。

例文:ご寛恕いただきたく、伏してお願い申し上げます。

   ご宥恕をたまわりたく存じます。

   ご不便かとは存じますが、ご海容ください。



◆「ご笑納」は、「つまらないものですが、笑ってお受け取りください」という意味があます。
主にお中元やお歳暮を贈る時などに使われます。
「笑納」だけでも尊敬語となりますが、ふつうは「ご」をつけて使います。

◆「ご査収」は、「査収」に尊敬語の「ご」がついた形です。
「査収」は、「調べて受け取る」という意味です。
 「よくお調べの上、お受け取り下さい」という意味で使われます。
 FAX送信票の結びのあいさつによく使われます。
 
文例:ご笑納いただければ幸いです。

   ご査収くださいますよう、よろしくお願い申し上げます。


◆「ご高覧」「ご清覧」は、やや堅い言い回しで、おもに文章に用いられます。
「ご高覧に供する」「ご清覧をいただく」という形でもよく使われます。

◆非常に敬意の高い尊敬語には、「みそなわす」「上覧に供する」「台覧をたまわる」などの言い回しもありますが、現在ではほとんど使われません。

文例:ご高覧いただきますようお願い申し上げます。

   ご清覧のほど、お願い申し上げます。



◆「逝去」は、それだけで尊敬語になりますが、ふつう「ご」をつけて使います。

◆非常に敬意の高い尊敬語として、「崩御、崩ずる(天皇・皇后・皇太后が死ぬ)「薨去(こうきょ)薨ずる(こうずる)=親王などが死ぬ」などがあります。

大人物が死ぬことを、比喩的に「巨星墜つ(おつ)」と言うことがあります。

例文:ご逝去の報に接し、お悔やみ申し上げます。

   先生は、ちょうど10年前にご他界なさいました。

   安らかにご永眠なさいますよう、お祈り申し上げます。



◆「叱正」は、特に、自分の書いた文章などを他人に修正や添削をしてもらう場合によく使われます。

◆目上の人がひどく叱ることを「大目玉」と言い、目上の人に叱られることを「大目玉を食う」「大目玉を頂戴する」と言います。

例文:なにとぞご叱正をたまわりたく存じます。



◆「英断」は、「すぐれた、思い切りのよい決め方」という意味です。

◆「明断」は、「はっきりとした決め方」という意味です。

◆「勇断」は、「勇気のある決め方」という意味です。

いずれも、尊敬語の「ご」をつけて敬意を表します。

例文:会長のご英断により、大規模な改革が行われました。

   しかるべきご明断を切望いたします。

   総理大臣のご勇断を期待しております。



◆「清聴」は、「自分の話を聞いてくれること」を言います。
敬意の高い尊敬語で、講演会などの公的な場所でのあいさつによく使われます。

◆「お聞きになる」は、「ご清聴」「お耳に入る」よりも敬意の軽い言い回しです。

例文:ご清聴に感謝いたしす。



◆「ご足労」は「来る」の意味で使うことがほとんどです。
「足労」は「足をわずらわせる」という意味で、ふつう、「ご」をつけて使います。
「わざわざお越しいただき、ありがとうございます」という意味に使われます。

「お見えになる」も「来る」の意味です。

◆対して、「おいでになる」「お越しになる」「いらっしゃる」は、「行く」と「来る」両方の意味で使います。

例文:このたびはご足労いただき、ありがとうございます。
   ご足労をおかけいたしまして恐縮です
   ご足労いただけませんか?

▲こちらからお願いして、相手の労をねぎらう言い回しなので、「ご足労ください」という使い方は間違い。
あくまでも相手の都合を伺う姿勢で「ご足労いただけませんか」「ご足労願えませんか」というように使います。



◆「参集」は「参(まいる)」の字が入っていますが、丁重語ではなく、ニュートラルな言葉です。
「ご」をつけると、尊敬語として、相手の動作に使うことができます。
「お集まりの皆様に」という意味で使われます。

例文: ご参集の皆様にお願いいたします。

*ニュートラルとは、敬語を使わない状態のことです。



◆「ご恵贈」「ご恵投」「ご恵与」は、多く「寄付する」という意味でつかわれます。

「恵」には、困っている人にほどこしをするという意味があり、非常に敬意の高いことばです。

また、話し言葉よりは、書きことばとして使われます。

「恵贈」「恵投」「恵与」だけでも尊敬語として使うことはできますが、ふつうは「ご」をつけて使います。

例文: 貴重な資料をご恵贈くださいました。
    
    貴著のご恵投にあずかりました。
    
    結構なお品をご恵与たまわりました。


◎使える!フレーズ集◎
【常套句】 じょうとうく
同じような場面で決まって用いられる文句。
決まり文句。
常套語とも言う。

言いにくいときの常套句≫

断りたい時の常套句≫


【社交辞令】 しゃこうじれい
世間づきあいを円滑にするために用いる、儀礼的なほめ言葉やあいさつ。
内実の伴わない空々しい言葉。
外交辞令とも言う。
「どうせ、社交辞令でしょ!」などと、悪く捉えることも多いが、ビジネスにおいては重要な要素のひとつでもある。

会った時には…≫

別れ際には…≫


【慣用句】  かんようく
二語以上の単語が結合して、それ全体である特定の意味を表すもの。
「油を売る」「あごを出す」の類。
イディオム。慣用語。

慣用句間違い探し≫
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