敬語コラム


アメリカUCLAのアルバート・メラビアン教授は「相手への印象は、何が決め手となるのか?」という興味深い実験を行いました。

その結果は、「ボディランゲージ」が55%、「声の調子」が38%、「言葉」が7%だったそうです。

この実験結果で得られたことは、「何を話すか」ではなくて、「どう話すか」が相手の印象に大きな影響を与えるということです。

話す内容はもとより、声の調子(トーン)にも気をつけ、特に、相手に何かを依頼したり、断ったりする時は注意しましょう。

正しい敬語を使ったとしても、言い方によっては相手に威圧感を与えてしまう場合もあります。

ソフトな印象を与えるように、言葉遣いを意識しつつ、語調にも注意しましょう。


若い人に限ったことではありませんが、いわゆる「いまどきの言葉」をビジネスの現場でも使ってしまう人がいます。

他人の言葉遣いにそれほど神経質にならない人もいますが、逆に年齢、性別問わずに、言葉遣いにすごく厳しい人もいます。
言葉遣いがなっていないと、ビジネスが失敗に終わる場合が少なくなく、「社員の言葉遣いを教育できないような企業とは取引しないほうがよい」「OOという表現をされた時点で取引をする気がなくなる」と言う人もいます。

「いまどきの言葉」が口癖になってしまっていると、自分でも分からない内に使ってしまい、ビジネスが上手くいかなかった原因が、話し方にあったということにも気が付きません。
ビジネスの相手は、よほどの事がない限り、相手の話し方が悪いことをその場で指摘してはくれないからです。

相手を不快にする「いまどきの言葉」を覚えておいて、絶対に使わないように、また、つい使ってしまったら、すぐに訂正するようにしたいものです。


使ってはいけない「いまどきの言葉」

▼「とか」
「一週間後とかはご都合とかいかがですか?」「ご連絡とかいたしましょうか?」など、「とか」を多用する話し方で、「とか弁」とも呼ばれている。
口癖になりやすい言葉の一つで、あいまいな表現をする人という印象を与えてしまう。
「とか」を多用されると不快になる人が多い。

▼「半クエスチョン形」
会話中、無意味に語尾を上げて問いかけるような話し方。
聞いているほうは語尾をあげられるたびに反応しなければならず、不快に感じる。
多用すると、自信のない人というマイナスの印象を与えかねない。
使う人が意外に多く、年配者でも使う人がいる。

▼「じゃないですかぁ」
相手に無理やり同意を求めるニュアンスがあるこの話し方は、若年層に多い。
普段の会話の中で使う人が多く、口癖になりやすい。
「押し付けがましい」「なれなれしい」と受け取る人が多く、困惑する人も多い。

▼「OOになっております」
たとえば「こちらが説明書になっております」のように、丁寧な表現に聞こえるが、実は使う必要の無い言い回し。
「こちらが説明書です」と表現すればよく、もっと丁寧に表現する必要があるときは、「こちらが説明書でございます」と表現すればよい。
このような言い回しは「ファミ・コン言葉」と呼ばれている。

▼「僕的」「私的」
これらも最近よく耳にする言葉で、「私的には、こちらの意見の方がいいと思います」などのように使われているが、「的」はいらない。
軽い感じがして、信頼感を得られない印象がある。
ビジネスの現場では「わたくし」が大原則。



相手を説得するときに使う効果的なテクニックのひとつに、「身を乗り出して小声でささやく」というのがあります。
大切な商談をするときは、相手の横に座って身体を寄せて話せば商談がまとまりやすくなるという教えの、「わきの下で話せ」というヨーロッパのことわざもあるぐらいです。

いつでも、どこでも、はきはきとでは学生時代ならまだしも、ビジネスの現場では逆効果となる場合もありえます。
自分の気持ちを表現するのは、声の大きさではないということを覚えておきましょう。

よく話をするときや聞くときには、相手の目を見ろと言われますが、あまり目をジーと見つめると、相手も息が詰まってしまいます。
にらみつけるようなことはせず、適度に視線を外して会話するようにしましょう。
ただし、視線をキョロキョロさせたり、相手の後ろの方を見るなど、どこを見ているのかわからない態度をとるのは、相手をイライラさせてしまうのでやめましょう。

また、話しながら理由も無く、あちこち触るなど手を動かす、腕を組む、足を組むなども相手をさげすむ態度にとられるので厳禁です。



敬語を使う機会は、日常生活の中でも割と多いと思いますが、あえて使う必要が無い場合もあります。

歴史上の人物や、有名人などについて話す場合は、敬語は使いません。


「豊臣秀吉お建てになった城」⇒X
「豊臣秀吉が建てた城」     ⇒O

「夏目漱石さんの小説を拝読した」⇒X
「夏目漱石の小説を読んだ」   ⇒O

◎ポイント
 有名人の場合、直接話すときは敬語を使う。


慣用句やことわざなどには使いません。


「歯に衣をお着せにならない」⇒X
「歯に衣を着せない」    ⇒O

「背におなかはかえられません」⇒X
「背に腹はかえられません」  ⇒O

◎ポイント
 慣用句やことわざの動詞は、敬語に置き換えずに、そのまま使います。 
 また、「お・ご」もつけません。


2008年10月12日

日本語の正しい知識や使い方を目的とした検定「日本語力認定ことば検定」が10月5日、東京都渋谷区の日本赤十字看護大学をはじめ、全国7都市で行われました。

第一回の今回は、基礎編の3級と上級編の2級が実施され、「文法」「敬語」「新語・流行語・特殊な語」などの7分野で構成された、全80問。

合否は11月初旬に通知し、合格者には認定書が発行されるそうです。

主催・日本語力認定ことば検定委員会
主管・産経新聞社
後援・文化庁



名前や商品名、日時などを「アレ」や「ソレ」というのはやめましょう。

自社の新製品を「ソレのカタログです」とか、重要案件を「アレについては」などと話せば、本人の業務への姿勢が疑われます。

外来語や業界用語、専門用語については、知っているが多用しないのがコツです。

遣い過ぎると嫌みに聞こえます。

会話とは相手の理解できる言葉で話すというのが原則です。



誰でもついつい口にしてしまう、4Dの言葉。

「だって」「でも」「どうせ」「ですが」というこの4つの言葉は、社会人としては使わないほうがいい言葉です。

4D言葉のあとには、言い訳や相手を責める口調になったり、捨てゼリフが続きます。

この4Dの表現をなくしてしまうだけで、ずいぶん話のニュアンスが変わります。


文例
だって、山田さんがダメだって言ったんです!」
⇒「山田さんは、この件は難しいとおっしゃっていましたが、いかがいた
  しましょう?


でも、先日のお話と違いませんか?」
⇒「先日はOOと承っておりましたが、いかがいたしましょう?

どうせ、納期には間に合わないと思いますよ」
⇒「納期に間に合わせるのが厳しくなってきますが、いかがいたしましょ
  う?


ですが、今までの準備が水の泡になったら、どうするんですか?」
⇒「今まで準備してきたことを、なんとか生かす方法はないでしょうか?

◎ポイント
 結果の判断を相手にゆだねる「〜はいかがいたしましょう?」を使って、マ
 イナスな印象の言いにくい話でも言えるようになります。

◎使える!フレーズ集◎
【常套句】 じょうとうく
同じような場面で決まって用いられる文句。
決まり文句。
常套語とも言う。

言いにくいときの常套句≫

断りたい時の常套句≫


【社交辞令】 しゃこうじれい
世間づきあいを円滑にするために用いる、儀礼的なほめ言葉やあいさつ。
内実の伴わない空々しい言葉。
外交辞令とも言う。
「どうせ、社交辞令でしょ!」などと、悪く捉えることも多いが、ビジネスにおいては重要な要素のひとつでもある。

会った時には…≫

別れ際には…≫


【慣用句】  かんようく
二語以上の単語が結合して、それ全体である特定の意味を表すもの。
「油を売る」「あごを出す」の類。
イディオム。慣用語。

慣用句間違い探し≫
QRコード
QRコード